
「真実は韻を踏めない (筋が通らない)時もある」
GIAの開発および選鉱のグローバルディレクターBrad Brooks-Rubinは、4月にカールスバッドキャンパスの研究所で行われた責任ある調達に関するパネルディスカッションにおいて、GIAの学生、スタッフ、招待されたゲストを歓迎の謝辞の際に、ヒップホップ・アーティストであるChance the Rapperの歌詞を引き合いに出しました。
「真実は韻を踏まない(または容易ではない、簡単な型にはまらない)というこの文脈の中には、2つの側面があります」と、Brooks-Rubinは述べています。 「第一に、単純明快なこととして、市場にある全ての商品にサプライチェーンが存在することから、サプライチェーンの問題に取り組む必要があります。これらの問題は現実的であり、韻を踏むことは滅多にありません。
第二に、これらの問題に対する解決策はあるものの、時によっては解決策も韻を踏まない場合があります。問題は単純あるいは容易なものではなく、困難な選択や苦痛を伴う会話が求められます。」

米国国務省の紛争ダイヤモンドの元特別顧問を務めたBrooks-Rubinは、 キャンパス在校の生徒達を対象とした一連のプレゼンテーションの一環で討論会の司会を務め、生徒達が宝石と宝飾品業界のメンバーから直接話を聞く機会を提供しました。 議題は、ビジネス成功のためのヒントや、取引の重要問題について扱われることが多い一方で、
責任ある調達に関する討論会には、David Bouffard(GIA GG、Signet Jewelers Ltd.:シグネット・ジュエラー社業務担当副社長)、Eric Braunwart(Columbia Gem Houseコロンビア・ジェム・ハウス創立者、社長 兼 CEO)、Beth Gerstein(Brilliant Earth:ブリリアント・アース社共同創立者 兼 共同CEO)、Stewart Grice,(Hoover & Strongハーヴァー&ストロング社研磨加工ディレクター)らがパネリストとして出席しました。
宝石と宝飾品業界のサプライチェーンセクター、地理的な調達エリア、市場と企業規模から代表されたパネリストたちは、様々な質問に的確に答え、さらに規制が市場に及ぼす影響について討論しました。さらに、Brooks-Rubinが述べるように「非常に複雑であり、まぎれもなく閉口する」問題への取り組み方ついても討論が行われました。
これらの企業が責任ある調達に焦点を当てる理由とその手段や、今日抱えている問題に対応する方法も様々です。

カリフォルニア州を拠点とするBrilliant Earth(ブリリアント・アース社)を10年前に設立したGersteinは、小売業者の使命は、社会的、環境的責任を実践し「私たちが得た利益を、宝飾品業界によって損害を長年与えられてきたコミュニティーに返還することにあります。」と述べました。Gersteinとその顧客たちは、継続的に大きな問題となっている西アフリカの鉱山労働者に対する公正賃金問題などといった、倫理的なサプライチェーンに深く関心を持っています。
「私たちはダイヤモンドを取り巻く問題を知るために、多くの時間を費やしました。そしてそれらの多くは、人権侵害に関するものです。」土地の強奪、暴力やレイプなどです、と彼女は述べました。 「我々の業界を、これらの露骨で、恐ろしく、驚くべき問題から守りたい。また、このような人権侵害に関わりのあるダイヤモンドを購入することから消費者を守りたいのです。」
米国内に展開するKay(ケイ社)、Zales(ゼールス社)、Jared the Galleria of Jewelry(ジェアード・ザ・ギャレリイア・オブ・ジュエリー社)を所有する、多国籍企業Signet(シグネット社)のBouffardは、消費者が尋ねない、という理由で責任ある調達を実践しないのではなく、サプライチェーンにおける企業配置が理由であると述べました。
「ショッピングモールで、顧客がサプライチェーンの問題については考えることはありません。顧客はそのストアブランドがその問題について既に対処しているだろう、と考えるのです。」と彼は語りました。 「我々は、研磨されたダイヤモンドの世界最大の買い手であり、ダイヤモンドジュエリーの世界最大の小売業者であると思います。 従って、責任ある調達に関して、リーダーシップの役割を担うことが我々の責務だと考えています。」

創立37年を経たBraunwartのColumbia Gem House(コロンビア・ジェム・ハウス社)は、卸売、小売、そして主に宝石カット処理を行い、サハラ以南のアフリカに3カ所、米国に2カ所、およびオーストラリアでは不定期採掘の1カ所の合計6カ所で採鉱を行っています。 「サプライチェーンで実現したいもの、我々の信念について数年前から慎重に定義を始めました。我々の取組みに賛同してくれるパートナー探しを始めました。」と彼は述べます。
サプライチェーンを調査するということは「鉱夫に目を向ける」ことです。大半は熟練鉱夫や農民であり、彼らの子どもたちのための教育機会を与えられるなど彼らに直接的に関わる問題です。 また、同社は特定の石のカット作業を停止し、宝石カット工場において極めて致死率が高い珪肺症などに関わる問題について、作業者の教育を始めました。
バージニア州のリッチモンドを拠点とするHoover and Strong(ハーヴァー&ストロング社)の研磨加工を管理するGriceは、世紀の歴史のある卸売貴金属メーカーでは、数年前に責任ある調達に向けて劇的な動きがあったと述べました。
「我々は、2007年頃に市場のニーズは透明性のあるサプライチェーンだということを見い出し、100パーセントリサイクル金属を使用する決断を下したのです。」と彼は言います。 変化に踏み切った企業は一風変わった立場に置かれることになりました。
「幸い我々は自身の精製所、工場製品部門、部品および組立部門を所有しているので、サプライチェーン全体の管理が可能でした。」
Brooks-Rubin氏はまた、規制への取組みの効果に対する自主的な透明性、および過去に行われた「害のないアプローチ」に対し積極的に行動することにより経済発展に貢献することについて、パネリストに質問をしました。
政府によって義務付けられた規制(及ぼされた多くの影響)からは、討論者からは多くの熱意が引き出されませんでした。しかし、宝石業界が自主的な透明性に関し遅れを取っていることを彼らは認めています。
Hoover & Strong(ハーヴァ&ストロング社)成形加工ディレクターStewart Grice
キンバリープロセスのような規制は、当初の意図に比べ実際にはあまり効果的ではないことを、Gersteinは示唆しました
「キンバリープロセスは、もともと反乱グループの紛争ダイヤモンドによる資金調達を阻止するために設立されたものです。」と話します。 「現在では、その効力はかなり薄まってしまっていると思います。」
キンバリープロセスは「歴史的認証」されてはいるものの、その紛争の定義は「非常に近視眼的」であることをBouffardは認めます。
「キンバリープロセスの結果を祝福したいところですが、充分な成果は出ていないと思っています」 と彼は続けます。Signet(シグネット社)は10年前にGIAやその他の組織と共に責任あるジュエリー協議会を設立したメンバーであり、継続してキンバリープロセスへの「定義と他の改革努力の変化」を支持し、「本質的に自主的なダイヤモンドのプロトコル」に取り組む所存です。」
業界が自主的に透明性の向上に取組むことを期待しているとBraunwartは述べました。 Columbia Gem House(コロンビア・ジェム・ハウス社)は、各部署には地元コミュニティ開発グループを設置していますが、現地の作業者が手助けにより問題を特定し、ポリシーと手順を提案しても、物事は複雑になることもあります。
「継続的な改善モデルとして捉えなくてはなりません。」と彼は述べます。 「失望はしないでください。」

健全なビジネス、消費者にとって、責任ある調達に関するコストと価値について討論し、見たところでは合意に達しました。一日の終わりに、皆にとって良いことでした。
Gerstein、Bouffard、Griceの3名は、景気後退にも関わらず企業は成長し、責任ある調達に対する企業責任も高まっていると述べました。
「企業としての有用性は莫大なものでした。」とGriceは述べました。 「とても上手くいきました。 実際に、売上も伸びたのです。」
商品に説得力のあるストーリーがあれば、消費者は好意的に反応するとBraunwartは言います。 Columbia(コロンビア)のカラーストーンの店舗営業担当者が全く同じ3つの石を顧客に紹介する際、石の2つは何の背景ストーリーもなく、1つの石には宝石になるまでのストーリーを営業担当者が語ることができたとしたら、たとえその石が5〜15%割高だとしても、ストーリーがある石が必ず売れるのです。
企業が倫理的な石を調達することに対し「財政面において非常に困難を感じた年もありました。」と彼は認めその重要性を強調しました。
「これは真に個人的な責務です。」と彼は述べました。 「長期的には製品に付加価値を加え、業界をより良くしてくれると私は信じています」
執筆者のJaime Kautskyは、GIA Diamonds修了およびGIA Accredited Jewelry Professional (AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ループ)誌の副編集長を数年務めていました。

「真実は韻を踏めない (筋が通らない)時もある」
GIAの開発および選鉱のグローバルディレクターBrad Brooks-Rubinは、4月にカールスバッドキャンパスの研究所で行われた責任ある調達に関するパネルディスカッションにおいて、GIAの学生、スタッフ、招待されたゲストを歓迎の謝辞の際に、ヒップホップ・アーティストであるChance the Rapperの歌詞を引き合いに出しました。
「真実は韻を踏まない(または容易ではない、簡単な型にはまらない)というこの文脈の中には、2つの側面があります」と、Brooks-Rubinは述べています。 「第一に、単純明快なこととして、市場にある全ての商品にサプライチェーンが存在することから、サプライチェーンの問題に取り組む必要があります。これらの問題は現実的であり、韻を踏むことは滅多にありません。
第二に、これらの問題に対する解決策はあるものの、時によっては解決策も韻を踏まない場合があります。問題は単純あるいは容易なものではなく、困難な選択や苦痛を伴う会話が求められます。」

米国国務省の紛争ダイヤモンドの元特別顧問を務めたBrooks-Rubinは、 キャンパス在校の生徒達を対象とした一連のプレゼンテーションの一環で討論会の司会を務め、生徒達が宝石と宝飾品業界のメンバーから直接話を聞く機会を提供しました。 議題は、ビジネス成功のためのヒントや、取引の重要問題について扱われることが多い一方で、
責任ある調達に関する討論会には、David Bouffard(GIA GG、Signet Jewelers Ltd.:シグネット・ジュエラー社業務担当副社長)、Eric Braunwart(Columbia Gem Houseコロンビア・ジェム・ハウス創立者、社長 兼 CEO)、Beth Gerstein(Brilliant Earth:ブリリアント・アース社共同創立者 兼 共同CEO)、Stewart Grice,(Hoover & Strongハーヴァー&ストロング社研磨加工ディレクター)らがパネリストとして出席しました。
宝石と宝飾品業界のサプライチェーンセクター、地理的な調達エリア、市場と企業規模から代表されたパネリストたちは、様々な質問に的確に答え、さらに規制が市場に及ぼす影響について討論しました。さらに、Brooks-Rubinが述べるように「非常に複雑であり、まぎれもなく閉口する」問題への取り組み方ついても討論が行われました。
これらの企業が責任ある調達に焦点を当てる理由とその手段や、今日抱えている問題に対応する方法も様々です。

カリフォルニア州を拠点とするBrilliant Earth(ブリリアント・アース社)を10年前に設立したGersteinは、小売業者の使命は、社会的、環境的責任を実践し「私たちが得た利益を、宝飾品業界によって損害を長年与えられてきたコミュニティーに返還することにあります。」と述べました。Gersteinとその顧客たちは、継続的に大きな問題となっている西アフリカの鉱山労働者に対する公正賃金問題などといった、倫理的なサプライチェーンに深く関心を持っています。
「私たちはダイヤモンドを取り巻く問題を知るために、多くの時間を費やしました。そしてそれらの多くは、人権侵害に関するものです。」土地の強奪、暴力やレイプなどです、と彼女は述べました。 「我々の業界を、これらの露骨で、恐ろしく、驚くべき問題から守りたい。また、このような人権侵害に関わりのあるダイヤモンドを購入することから消費者を守りたいのです。」
米国内に展開するKay(ケイ社)、Zales(ゼールス社)、Jared the Galleria of Jewelry(ジェアード・ザ・ギャレリイア・オブ・ジュエリー社)を所有する、多国籍企業Signet(シグネット社)のBouffardは、消費者が尋ねない、という理由で責任ある調達を実践しないのではなく、サプライチェーンにおける企業配置が理由であると述べました。
「ショッピングモールで、顧客がサプライチェーンの問題については考えることはありません。顧客はそのストアブランドがその問題について既に対処しているだろう、と考えるのです。」と彼は語りました。 「我々は、研磨されたダイヤモンドの世界最大の買い手であり、ダイヤモンドジュエリーの世界最大の小売業者であると思います。 従って、責任ある調達に関して、リーダーシップの役割を担うことが我々の責務だと考えています。」

創立37年を経たBraunwartのColumbia Gem House(コロンビア・ジェム・ハウス社)は、卸売、小売、そして主に宝石カット処理を行い、サハラ以南のアフリカに3カ所、米国に2カ所、およびオーストラリアでは不定期採掘の1カ所の合計6カ所で採鉱を行っています。 「サプライチェーンで実現したいもの、我々の信念について数年前から慎重に定義を始めました。我々の取組みに賛同してくれるパートナー探しを始めました。」と彼は述べます。
サプライチェーンを調査するということは「鉱夫に目を向ける」ことです。大半は熟練鉱夫や農民であり、彼らの子どもたちのための教育機会を与えられるなど彼らに直接的に関わる問題です。 また、同社は特定の石のカット作業を停止し、宝石カット工場において極めて致死率が高い珪肺症などに関わる問題について、作業者の教育を始めました。
バージニア州のリッチモンドを拠点とするHoover and Strong(ハーヴァー&ストロング社)の研磨加工を管理するGriceは、世紀の歴史のある卸売貴金属メーカーでは、数年前に責任ある調達に向けて劇的な動きがあったと述べました。
「我々は、2007年頃に市場のニーズは透明性のあるサプライチェーンだということを見い出し、100パーセントリサイクル金属を使用する決断を下したのです。」と彼は言います。 変化に踏み切った企業は一風変わった立場に置かれることになりました。
「幸い我々は自身の精製所、工場製品部門、部品および組立部門を所有しているので、サプライチェーン全体の管理が可能でした。」
Brooks-Rubin氏はまた、規制への取組みの効果に対する自主的な透明性、および過去に行われた「害のないアプローチ」に対し積極的に行動することにより経済発展に貢献することについて、パネリストに質問をしました。
政府によって義務付けられた規制(及ぼされた多くの影響)からは、討論者からは多くの熱意が引き出されませんでした。しかし、宝石業界が自主的な透明性に関し遅れを取っていることを彼らは認めています。
Hoover & Strong(ハーヴァ&ストロング社)成形加工ディレクターStewart Grice
キンバリープロセスのような規制は、当初の意図に比べ実際にはあまり効果的ではないことを、Gersteinは示唆しました
「キンバリープロセスは、もともと反乱グループの紛争ダイヤモンドによる資金調達を阻止するために設立されたものです。」と話します。 「現在では、その効力はかなり薄まってしまっていると思います。」
キンバリープロセスは「歴史的認証」されてはいるものの、その紛争の定義は「非常に近視眼的」であることをBouffardは認めます。
「キンバリープロセスの結果を祝福したいところですが、充分な成果は出ていないと思っています」 と彼は続けます。Signet(シグネット社)は10年前にGIAやその他の組織と共に責任あるジュエリー協議会を設立したメンバーであり、継続してキンバリープロセスへの「定義と他の改革努力の変化」を支持し、「本質的に自主的なダイヤモンドのプロトコル」に取り組む所存です。」
業界が自主的に透明性の向上に取組むことを期待しているとBraunwartは述べました。 Columbia Gem House(コロンビア・ジェム・ハウス社)は、各部署には地元コミュニティ開発グループを設置していますが、現地の作業者が手助けにより問題を特定し、ポリシーと手順を提案しても、物事は複雑になることもあります。
「継続的な改善モデルとして捉えなくてはなりません。」と彼は述べます。 「失望はしないでください。」

健全なビジネス、消費者にとって、責任ある調達に関するコストと価値について討論し、見たところでは合意に達しました。一日の終わりに、皆にとって良いことでした。
Gerstein、Bouffard、Griceの3名は、景気後退にも関わらず企業は成長し、責任ある調達に対する企業責任も高まっていると述べました。
「企業としての有用性は莫大なものでした。」とGriceは述べました。 「とても上手くいきました。 実際に、売上も伸びたのです。」
商品に説得力のあるストーリーがあれば、消費者は好意的に反応するとBraunwartは言います。 Columbia(コロンビア)のカラーストーンの店舗営業担当者が全く同じ3つの石を顧客に紹介する際、石の2つは何の背景ストーリーもなく、1つの石には宝石になるまでのストーリーを営業担当者が語ることができたとしたら、たとえその石が5〜15%割高だとしても、ストーリーがある石が必ず売れるのです。
企業が倫理的な石を調達することに対し「財政面において非常に困難を感じた年もありました。」と彼は認めその重要性を強調しました。
「これは真に個人的な責務です。」と彼は述べました。 「長期的には製品に付加価値を加え、業界をより良くしてくれると私は信じています」
執筆者のJaime Kautskyは、GIA Diamonds修了およびGIA Accredited Jewelry Professional (AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ループ)誌の副編集長を数年務めていました。
